真鍮

黄銅棒メーカー再編

他業界と同様に、真鍮棒を製造しているメーカーも合併やグループの再編が進んでいます。
現在、日本の黄銅棒業界では1000トン/月以上生産しているメーカーは4社。(グループで考えると3グループ)しかありません。
1970年代には大小含め15社以上あったメーカーが、どのように再編されてきたのかを、この記事では振り返ります。
それぞれのルーツが分かると、どこに強みを持っているかもよく分かります。

黄銅棒メーカー年表

CKサンエツ

黄銅棒業界最大のグループ。
傘下に、サンエツ金属、シーケー金属、日本伸銅など複数社を持ち、上海、台湾にも子会社があります。
2018年3月には東証一部銘柄に指定されるなど、このグループを外しては、業界の話ができません。

サンエツ金属株式会社 HP抜粋

サンエツ金属は日本最大の「黄銅製品」メーカーです。黄銅は銅と亜鉛の合金で真鍮(しんちゅう)とも呼ばれ、熱伝導性に優れ加工しやすいなどの特性を持ち、ガスコンロ、パソコン、スマートフォン、蛍光灯の端子やアルカリ乾電池などの各種製品に多く使用されています。当社は、一貫生産システムや綿密な工程管理、厳しい品質管理のもと、高品質な素材を大量に供給しています。また、地球環境に優しい製品の開発に注力し、人体への影響が懸念される鉛を一切使用せず、加工性が従来と同等の新合金を開発、特許を出願しました。この鉛レス合金は次世代合金として急速に普及しています。

日本伸銅株式会社 HP抜粋

日本伸銅は明治29年に創業した合資会社黄銅製造所を母体とし、120年を超える長い歴史を持っています。設立は昭和13年4月。それ以来、確固とした経営理念のもとで、積極的な設備投資と技術力の向上に取り組み、黄銅棒・線の分野でトップクラスの地位を築いてきました。そして、平成27年2月にCKサンエツグループの一員となったことで、さらなる飛躍を目指しています。これまで培ってきた技術力に、情報力・経験を結集することで、低コストで高品質な商品を“ジャストインタイム”でお届けする体制を整え、お客様の期待に応えていく考えです。さらに特殊品や鍛造品といった高付加価値商品の販売にも力を入れていきます。

株式会社CKサンエツWEBサイト

キッツメタルワークス

黄銅棒業界第二の生産量を誇る企業。
親会社は総合バルブメーカー、国内最大手の株式会社キッツ。
ホームページによると、2019年3月31日現在のグループ売上高(連結)は、136,637百万円。??1,363億円の売上という巨大企業の中の伸銅品を専門とする会社。
北澤製作所(現キッツ)の資材調達部門としての東洋金属。京都にあった京都ブラス。千葉、茨城に工場があった紀長伸銅所の流れを汲む黄銅棒メーカーです。
「六角の材質の表面が綺麗」という評判もあり、人気のあるメーカーです。
また2019年9月には大規模な設備投資を行い、最新の生産設備を導入しました。

株式会社キッツメタルワークスWEBサイト

大木伸銅

年表を見ても分かる通り、1924年の創業からオーナーが変わっていない黄銅棒メーカー。
日本伸銅をCKサンエツグループと考えると業界3番手の生産量を誇ります。
埼玉県新座市に工場を持ち、特に関東地区においては高い人気を誇ります。
また本社のある東京都板橋区の東武練馬駅周辺の土地や商業施設の多くは大木伸銅のもの。という話もあります。

大木伸銅工業株式会社WEBサイト

まとめ

1970年~80年代、国内の黄銅棒生産量は、25,00トン~30,000トン位だったと記憶しています。
しかしその後、日本企業の海外移転や他材料への代替等進み、2019年直近では15,00トン前後まで、生産量が減ってます。
今後、需要が更に減り生産量が落ち込めば、更なるメーカーの再編や統合があるかもしれません。

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