銅など非鉄金属の国際指標になるロンドン金属取引所(LME) は17日、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらなければ伝統的な売買手法である対面の「リング取引」を23日から停止すると発表した。
マシュー・チェンバレン最高経営責任者(CEO)はLME取引の複雑さなどを踏まえ「電子移行に伴う短期的な影響を過小評価すべきではない」と参加者に注意を喚起した。
140年以上の歴史を持つLMEでは、円形の舞台(リング)でブローカーが互いに意思疎通しながら取引している。現在、ここに参加できるのは有力9社だけで、三菱商事子会社のトライランド・メタルもその一つだ。LMEの発表によれば、まず18日からリング取引の場所をロンドン郊外のバックアップ施設に移す。感染状況が変わらなければ23日から電子取引に移行する。国際指標になるLMEの値決めは、売買高加重平均に基ずく仕組みとなる見通しだ。相場形成にどのような影響をもたらすかは予想できない。12年に香港取引所に統合されたLMEが、課題の多かった古い取引手法から脱却できるかの試練でもある。
LMEの主力商品である銅は17日に一時1トン5127㌦(3ヶ月先物)まで急落。世界的な需要減速を懸念して非鉄金属相場の動きも不安定になっているだけに、取引所が機能不全に陥れば市場参加者の不安が増しかねない。電子取引では対面取引のようにうまくコミュニケーションをとれず、結果的に売買が停滞する可能性が有る事を指摘するエコノミストもいる。
<日本経済新聞2020.3.18>
LME取引では全体の1割がリング取引され、熟練ブローカーが繰り広げる取引でつく価格が、世界の非鉄金属の公式指標とされているので心配です。新型コロナ対策なので仕方ないと思いますが、収束すれば元通りやって欲しいですね。
世界中が一日も早く感染終息する事を願います。