主要な工業金属である銅の国際価格が9年半振りの高値を付けた。新型コロナウイルス禍からの経済再開や、各国の積極的な財政政策に伴い需要が回復。世界的な脱炭素化の流れを背景に、EVなどに使う銅の将来的な需要増加への期待も高まり、先行きに目を付けた投資マネーが流入している。
国際指標となるLMEの銅3ヶ月先物は日本時間26日夕方時点で一時9700㌦/t台を付けた。2月下旬に付けた9617㌦を上回り、2011年8月以来約9年半振りの高値を付けた。
銅は幅広い製造業に使われ、その需要や価格は景気の動向を映すとされる。
(中略)
各国の金融緩和であふれる投資マネーの流入も価格の押し上げ要因だ。LMEの銅市場におけるファンドの買い越し残高は16日時点で3万8500枚(1枚25㌧)。昨年半ば以降に急激に増加し、高水準で推移する。為替市場のドル安も、ドル建てで取引される非鉄金属全般の上昇圧力だ。「銅は適正水準よりも1000㌦程度割高な水準になっている」との指摘も出ている。
<2021年4月26日 日本経済新聞より>
4月16日に国内電気銅建値が最高値を更新したばかりだが、26日には更に最高値を塗り替える相場になった。27日のLME銅も上昇しており、銅建値の1100円超えの可能性が出て来ている。4月は残り日数も少なく、まさか緊急改定は無いと思うが、確実にLME銅の過去最高値(10160㌦)を意識した動きになっているのではないだろうか。まさに「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な感じだろうか。我々は景気回復を実感出来ないが、銅相場動向により販売価格が左右される業種に於いては、流れに逆らう事も出来ず身を任す事しか出来ない。
今後も、米国長期金利と中国経済政策を特に注目していく事が大事かと考えている。