真鍮の販売価格の基準にもなるN社価格。このN社価格は2営業日は変わりません。
(※2018年から銅建値がプラスマイナス2万円になった場合、銅建値を発表するJX金属が1営業日でも銅建値を改定するようになりました。それにともないN社価格も最短で1営業日で改定するようになりました。)
このN社価格ですが、計算式さえ頭に入れているとおおよその金額の算出ができます。
この記事ではメタレポ流、2019年最新版N社価格算出方法をご紹介します。
▼ 目次
海外マーケットを確認する
大前提ですが、黄銅は、銅と亜鉛の合金です。
どちらの金属もLME(ロンドン金属取引所)という、世界最大規模の非鉄金属専門の先物取引所でおおよその市場価格が決まります。
下記のサイトを利用してみていきましょう。
黄銅棒ドットコム
左側のバナーに、現在の銅と亜鉛の1ポンドあたりの単価がUSドル建てで記載されています。
例えば、ある日の銅はUSD2.6289/lb。亜鉛はUSD1.0571/lb となっていた場合、この数値をメモにひかえます。
lb(ポンド)をkg(キログラム)になおす
ヤード・ポンド法のポンドの重量を、日本で使用されているkgに変換します。
2.20462ポンド=1キログラム
先ほど控えた数値に2.20462をかけて、kg単価を算出します。
銅: USD2.6289×2.20462=USD5.79/kg
亜鉛: USD1.0571×2.20462=USD2.33/kg
※あまりも小数点がおおいので、ここでは小数点第三位を四捨五入しています。
アメリカドルを日本円になおす
次にドル建の金額を円にします。
これは「円 リアルタイム」などで検索し、yahooファイナンスなど大手のドル/円チャートを見ましょう。ここで使う金額はTTM(外貨の売買の中間となる価格)を使用し、手数料の1円を足して使用します。
YAHOOファイナンス
例えば1ドル=106円(TTM)の場合は、手数料の1円を足して、1ドル=107円とします。
ここで上の2で計算した1kgあたりの金額を日本円にします。
銅: USD5.79×107=619.53円/kg
亜鉛: USD2.33×107=249.31円/kg
銅:6と亜鉛:4の価格を足す
ここまでくれば、あとは簡単。
真鍮の比率、銅60%、亜鉛40%を、上の3で算出した数値にそれぞれかけます。
銅: 619.53円x60%=371.7円
亜鉛: 249.31円x40%=99.7円
そしてそれを足す
371.7+99.7円=471.4円=予想N社価格
という計算ができます。
おおよそですが、この計算でプラスマイナス10円/kgの範囲でN社価格を予測することが可能です。
おまけ:銅建値の変更を予測する
N社価格の変動は、JX金属発表の銅建値が変更されるときになっています。
このため、現在の銅建値が、上がるのか下がるのかを知っておく必要があります。
先ほどで3:アメリカドルを日本円になおす。で、計算した銅建値に、業界内でいう「鉱山プレミア」を足します。※人によっていろいろな表現をしています。
2019年最新版では、
銅=43円/kg
を足すと、JX金属が発表する銅建値。の数値に非常に近い数値になります。
銅619.53円+43円=662.53円=660円/kg ※小数点以下切り捨て
この金額が現在発表されているkg単価に比べて、10円以上高い、または安ければ2営業日で銅建値が変更となり、連動してN社価格も変動します。
まとめ
いかがでしたか。2019年版N社価格算出法。
おおよその計算は、この内容でできますが、N社価格については、計算方法が公式に発表されているわけではありません。
常に、自分で海外の市場を確認し、N社価格の計算方法が正しいのか。修正が必要か判断してください。