ロンドン金属取引所(LME)の銅相場でファンドの売り越しがおよそ6ヵ月ぶりの高水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした世界景気の減速懸念でファンドが売りの姿勢を強めている。市場心理の悪化で銅は軟調な相場がつづきそうだ。
LMEが毎週公表する建玉(未決済残高)明細によると、直近2月28日時点のファンドの持ち高は約1万7500枚(1枚=25トン)の売り越しだった。売り越し幅は前週から約5200枚膨らみ、2019年8月下旬以来の高水準となった。
貿易摩擦を巡る米中の通商交渉の進展を背景に、ファンドの持ち高は1月17日時点で約6900枚の買い越しだった。その後、新型コロナの感染拡大により最大需要国の中国で製造業の需要が鈍るとの不安が台頭。直近では欧州や米国などでも感染例が相次ぐ。リスクを回避する姿勢からファンドの売りが鮮明だ。
景気の下支えを目的に、FRBは3日に緊急の利下げを決定した。各国の金融緩和策で市場に出回るマネーの量が増え、銅市場で売りが落ち着く可能性がある。
<日本経済新聞 2020.3.5>
目先弱材料が多い中で、最近の株式や原油や為替市場の変動の大きさと比べて、銅相場の変動の小ささや5600㌦台で底堅い動きからすると、新型コロナ終息に目途が付く頃に、市場に出回るマネーが銅市場に一気に流れ込むのではないでしょうか。