英ロンドン金属取引所(LME)は現地8日、リング取引(円形立会会場での立会取引)を9月6日に再開すると発表した。1月から市場関係者の意見を募り、リングの存廃を検討してきた。価格ヘッジを行う実需家の要望をくみ当面存続する。
LMEは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為2020年3月23日からリング取引を休止。全取引を暫定的に電子化し、大きな混乱なく現在に至る。この流れの中でリングの存廃を問う意見公募を行った。
精査の結果、セツルを含む公示価格を当面はリング取引で決定する事、清算値の算出は恒久的に電子化する事を固めた。ワクチン接種の進行を踏まえて9月6日のリング再開を決めた。
LMEの発表では、実需家がリング存続の移行を強く示した。日本のLME関係者の一人は「LMEに携わる多くの人々が、リング取引を最も効率的・効果的な取引方法だと考える表れ」だと受け止める。別のLME関係者の説明では、実需家はヘッジ目的で、1年を超える長期先物など流動性の非常に低い取引をよく行う。こうした取引は電子取引ではほぼ成立せず、人対人のリング取引と付随の場外取引が流動性や機徴をもたらす場として機能してきた。金融関係などの投機筋は、リング会員以外も等しく参加出来取引の過程が見えやすい電子取引を好み、値洗いに使う清算値を重視する。今回の決定は実需家と投機筋の双方に配慮し「バランスを上手に取った内容」と後の関係者は評価する。(以下省略)
<2021年6月10日 日刊産業新聞より>
5月17日投稿の結果が出ました。
実需家は、人対人のリング取引の継続を要望。投機筋は電子取引を好む。という結果だ。人対人では損得勘定の駆け引きもあり人間味を感じる。電子取引には冷徹さを感じる。「そこに愛はあるんか」と問いかけたくなる。
今回のLME銅最高値更新には、電子取引の影響も有ったのかもしれない。リング取引ならそこまで高値にならなかったかもしれないと考えてしまう。
デジタル化に乗れない年寄りの独り言でした。