中国国家糧食・物資備蓄局は27日、今月末から4回目の金属備蓄の放出を実施すると発表した。放出量は前回と同じく銅が3万㌧、アルミ7万㌧、亜鉛5万㌧の計15万㌧。備蓄放出は、7月から中央政府が供給確保や価格安定化を目的に継続しており、今回を含めた累計放出量は銅11万㌧、アルミ28万㌧、亜鉛18万㌧。放出スケジュールは公告と応募審査が今月27~30日、公開入札は10月9日。<中略>
中国政府は脱炭素社会の構築を目指し、地金から再生原料(スクラップ)の活用を狙っているが、品位の低いスクラップの輸入を厳しく制限しており、慢性的な原料不足に陥っている。
地金とスクラップの需要がタイト化し、上海先物取引所(SHFE)相場の銅在庫が、足元は4万㌧台と昨年ピーク時の10分の1に減少している。
<2021年9月28日付け日刊産業新聞より>
所感
国家備蓄放出を始めた7月には、資源価格高騰を抑え込む事を目指していたが、想定していたほど下げ圧力になっていないのではないか。政府が介入する時期・規模が間違っていたのではないでしょうか。最近では、電力不足からアルミなど逆に高値になっている。相場を抑え込むには、中途半端な力技は無力で有る事を証明しているのではないでしょうか。放出した備蓄の補充はどうするのでしょうか。